サンキュ。

道を歩いていたら信号がチカチカし始めた。
まだ渡れそうだと思って周りを見渡したら
右側から自転車に乗ったおじさんがこっちに向かってた。
渡れそうな気がしたけど、前に出そうと思っていた足を後ろに戻す。
ムッとした顔のおじさんが迫って来る。
私はジッとおじさんが通り過ぎるのを待つ。
おじさんが私の目の前を通り過ぎる時それは起こった。
「サンキュッ。」
ボソッとおじさんは呟いていった。
おじさんの顔は前を向いたまま。
少し照れ臭そうに、
ほんのちょっとだけ目をこちらに向けておじさんはボソッと呟いて去って行った。
一瞬の出来事に驚きと嬉しさが込み上げた。
すかさず去っていくおじさんの背中を見ながら私もボソッと呟いた。
「ユアウェルカムッ。」
きっと聞こえなかったけど。
思いやりやありがとうは次へ次へと繋がっていく。
そんな嬉しいバトンを今日私はおじさんからもらったのだ。