Diary

自分と向き合うための時間

「いけない。またやってしまった……」

気づけば部屋にこもって3日目の朝を迎えていた私は、カレンダーを見てハッとしていた。

 

4月から始めたライターとしての仕事がようやく忙しくなってきた今、パソコン横に置いてあるメモ用紙の「To Doリスト」が賑わいをみせている。

「今日はこれをやって……ここまでやろう!」

1週間の予定を忘れないように手書きでスケジューリング(結構アナログ人間です)。でも時間の使い方が下手な私はいつも予定通りにはいかず、1日中部屋にこもりっぱなしなことが多くなってしまった。

タスクに没頭してしまうところと面倒くさがりな性格で、外へ出かけることなく1日を終えてしまう。本来の私はインドアタイプではないのに。

面倒くさがりなところはあっても、どちらかというとアウトドアタイプで、いつも太陽の光と気持ちのいい風や緑に触れていたいと思っている人間だ。将来は、年間を通して窓を開けられるような地域への移住も計画しているくらい。

でも最近の私は、メモ用紙に書かれた「To Doリスト」に横線を引くことばかりに必死で、自分のことをお座なりにしていた。

「3日目には外に出よう」

こもりがちな自分に気づいたとき、私はちょっとした危機感を感じた。
そこでこんなルールを決めたのだ。

「最近、何かモヤモヤする」

“2日こもり”が続きがちだった私は、何か心に違和感を感じていた。何かつっかえているものが取れない、視界にモヤがかかったような感じ。うまく表現できないが、とにかく“何か”が心の中でウズウズしているようだった。

「なんかスッキリしないなぁ」

そんな違和感を感じ、急ぎの仕事が終わったということで本日の「To Doリスト」を次の日に回すことにした。

「今日は好きなことをしよう!」

カレンダーを見た私は、長いこと休みらしい休みを取っていないことに気づき、思いきって休暇をとることにした。

 

私の好きなこと。
私が今したいこと。

 

そう考えてパッと出てきたことが“歩きたい”だった。

面倒くさがって部屋から出ないかわりに、ヨガやストレッチはしていたけど(罪悪感もあって)、体を思いっきり動かすといったこともかなりしていなかった。

「歩こう!好きなだけ好きなところを!!」

自分の欲求を読み取り、私は面倒くさがりボタンが作動する前に勢いよく動き出した。
気分を上げるためにノリノリの曲をかけて、ルンルンで支度する。

ラッキーなことに、その日の京都はTシャツでもOKなほど暖かく晴天。本日のタスクを“諦めた”私は、一種の吹っ切れ感みたいなもので、いつもより短い時間で出かける準備を整えた。

「さぁ、行くか!」
スニーカーを履き、ドアノブに手をかけたとき、私は立ち止まった。

「今日は、とことん自分の世界にひたりたい」
急に自分の心がそう訴えてきた。

「外にいながら自分の世界にひたる方法?」
そう思いながら靴を脱いで部屋に戻り、机に上に置いてあったイヤホンを手に取った。

「これだな」
私は振り返りながら、イヤホンで自分の世界の扉を閉めた。そして靴を履き直し、次こそドアを開け歩き出した。

 

2日ぶりの外は眩しかった。

今日はいつもと違って追われるものがなく、好きなように時間を使っていい。言葉にならない解放感に自然と足は鴨川へと向かっていた。

平日の昼間、鴨川沿いを歩く。
週末と違って人は少なめ。
一度立ち止まって、秋色に染まった景色を見て深呼吸した。

心地のいいボリュームで流れる音楽は、外と繋がりながらも自分だけの世界に導いてくれた。

体に流れる音楽や思わずニヤついてしまうほどの景色、肌に感じる風や光の暖かさが五感を刺激。それをキッカケに、「自分がしたいこと」「行きたい場所」「伝えたいこと」「本当の願い」などが、スイッチを入れたかのように1つ1つ心の中で照らされていった。

「そうだったよねぇ」
そんなことを思いながら2時間歩き続けた。

家に着いた私はイヤホン外し、ベットに座った。その時、自分の中のモヤモヤはどこかに消え去っていることに気がついた。

 

思い返してみれば、自分の時間なんてしばらく取っていなかった数ヶ月。目の前のタスクをこなすことばかりに集中して、本来自分が向かおうとしていた道から大きくブレ始めていることに気がつかなかった。というよりも、自分の心の声に耳を傾ける余裕がなかったのだろう。

今の私にとって“忙しい”とは嬉しいこと。でもあまりにも自分を放っておくと、望んでいない方向性へと進んでしまう。迷路に迷い込んでしまったことに気づかないまま、どこに向かえばいいか分からず彷徨い続ける。最近の私はまさにこの状況だった。

自分と向き合う時間を作るということは、自分がどの位置にいるのか確認する意味がある。それは人によっては“目的達成までの道のり”かもしれないし、ある人にとっては“自分の本当の欲求”だったりするかもしれない。どんなことであれ、そこさえ分かっていれば例え迷路に迷い込んだとしても、ゴールに向かえばいいといいことが分かるようになる。

自分の本当の想いは、自分しか分からない。
だからこそ、たまには一人の時間を作り、心の声に耳を傾けることが必要がなんだろう。

たった2時間の“自分と向き合う時間”が、私に新たなエンジンをくれた。
思い切って休暇をとって正解。
これからは定期的にこんな時間をとっていこうと思う。

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