Diary

カッピング=ライティング

皆さんは、カッピングという言葉を知っているだろうか。

きっと、この言葉に「?」が浮かぶ人が大半だろう。私も同じ。ただ知っていたことと言えば「コーヒーに関わる何か」ということだけ。そんな私は、「?」が頭に浮かんだまま、人生初のカッピングワークショップに足を運んでみることにした。

 

正直、よく分からない”カッピング”には全く興味が湧かなかった。今回は、北欧にコーヒー修行に行っていた友人に会えるということで参加を決めたのだ。

でも、そんな興味のなかったカッピングワークショップは、予想以上に私を刺激するものとなった。

 

『カッピング』とは、簡単に言うとコーヒーのテイスティングのこと。ワインのテイスティングと似ていて、コーヒーの味や香り、品質やクオリティをみるものらしい。ただ淹れ方や水に含まれる成分の違いによって味が変わってしまうことから、「共通ルール」や「基準」を作り、世界のどこでも評価がブレないように設定している。

カッピングはコーヒー豆そのものを味わうもので、普通に美味しく淹れられたコーヒーのテイスティングとはちょっと違っていた。

 

30分ほど簡単な講義を受けた後、10名ほどの受講者はカッピングを体験。

講師であるバリスタさんが、引き立てのコーヒー豆に適温のお湯を注ぎ、しばらく時間を置いてからスプーンで軽く混ぜ、私たちはその上澄みをすくってテイスティングした。

”引き立て”、しかもその時は全てのコーヒーがスペシャリティの豆で、コーヒーのいい香りが部屋中に広がった。でも自分のイメージしていた「美味しく淹れられたコーヒーをテイスティングする」というものではないワークショップに、少し残念だなと思っていた。

準備してくれたのは5種類の北欧のコーヒー。でもただお湯を注いで軽く混ぜたもの。昔からコーヒーが好きだった私は、そのコーヒーの味が想像出来た。

「あの薄いコーヒーをテイスティングかぁ」

カッピングの仕方を教えてもらっていざ実戦。ちょっと構えながらも、教えられたように口の中に薄いコーヒーをすすり入れてみた。そしたらどうだ。全然期待していなかったカッピングに、私は目を見開いて驚いた。

「コーヒーってフルーツの味がするって言ってたけど、その意味がすごく分かる!」

私は、コーヒー豆そのものが持つ本来の味をその時初めて知った。

「これを色で表現してみましょう」

ワークショップの講師にそう言われて、目の前にあった色鉛筆で自分が感じた味を紙に塗っていった。フルーツの味から次はコーヒーがカラフルなイメージに変化。私は、この新しい体験に夢中になった。

「色じゃなくてもいいですよ。何でもいいです。次はもっと味を細分化して表現してみましょう。自由にね!」

そう講師に促され、私たち受講者は次々と感じた味を言葉にしていった。

「最初にオレンジが来て〜……後からむらさきがくる!」
「スモークした何か?」
「納豆みたい」
「抜けるような青空」

それぞれがカッピングから感じた味を自由に表現していった。
その時私はハッとしたのだ。

「カッピングやテイスティングはライティングと同じだ」

形のない「味」を言葉で表現することは、形のない「感情」や「映像」を言葉で表現することと全く同じだと感じた。このことに気づいた私は、テイスティングしていくことで、自分のライティングに深みや味わいがもっと増す気がしたのだ。

「先生、カッピングってライティングに活かされます!」

そんな言葉に講師は驚きながらも嬉しそうだった。

 

表現力は、色々なものから刺激を受け成長していくと私は思っている。だから、ライティングだからライティングに関わる知識だけを増やせばいいとは思っていない。全ての感覚や体験は繋がっていて、自分の表現力に反映されていくと思っているからだ。

しかし、ここ最近の私は忙しさにスッカリ出不精になっていた。五感を刺激することなんてなかったのだ。今回のワークショップはそんな私のお尻を叩いてくれた。もっと外に出なさいってね。

私はどっぷりとカッピングにはまってしまった。次回のワークショップももちろん参加予定だし、ワインのティスティングやその他のイベントにも積極的に参加して行きたいと思っている。

全く期待していなかったカッピングワークショップ。この体験は間違いなく、今後の私の記事に生かされていくことだろう。

 

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