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リバーサイドの人々はカラフルな絵の具

友人に連れられ知ることになったコミュニティビレッチという場所。しかも、最初に出逢ったのはニュージーランドで最も古く、そして世界的にも知られている「リバーサイドコミュニティ (以下、リバーサイド)」だった。

コミュニティビレッチの存在を知った私は、知らない世界への好奇心から、その後約1ヶ月、ウーファーとしてこのリバーサイに滞在することになる。

リバーサイドに移動した初日。期待に胸膨らませていた私の心は、一気に不安へと変わっていく。それは、未だかつてなくバラエティに富んだ人たちが集まっていたからだ。

「ここでやっていけるだろうか。それなりに旅の中で色んな人に会って来たはずなのに、、、。」

しかし、そんな不安はすぐに消え去っていく。
彼らはカラフルな絵の具。そんな風に思えたからだ。

今回は、そんなリバーサイドの人々のお話をしていこうと思う。

 

リバーサイドの登場人物はとにかく多い

 

リバーサイドでは、毎日新しい人と会っているんじゃないかって思うくらい、人との交流が多い。着いた初日から自己紹介の嵐で、気づかれないようにメモしていたことは今でも忘れられない思い出だ。

そんな登場人物たちは大きく分けて、リバーサイドの住人と、そこで働く私のようなウーファー、旅の途中に立ち寄った旅行者といった感じだ。総勢80名くらいだったらしい。そこに、カフェやミルクを買いに立ち寄る常連さんも来るとなれば、人数はどこまで膨れ上がるか分からない。

ウーファー同士や同じホステルに泊まる旅行者の仲間とは、ほぼ毎日顔を合わせていたので知らない人はいなかった。しかし、その他のメンバーとなると住人なのか訪問者なのかの区別も付かなかった。

1ヶ月近く滞在していたのに、最終日に「初めまして」なんて住人もいたくらいだ。

 

国籍も年齢も育ちも様々

 

 

ここリバーサイドには、面白いことにニュージーランド人が少ない。

私がいた頃は、住人のほとんだが移民で、中でも多かったのがドイツ、フランス出身の住人だった。何世代にも渡ってリバーサイドに住んでいる家族もいれば、個人的に移動してきた人もいる。

ウーファー・旅行者もまた人種が様々だった。私がリバーサイドに移動した当初は、アジア人は私だけ。あとは、スペインやアルゼンチン、アメリカ、ドイツ、フランス、スイス、スウェーデンと、地球のあちこちからやって来ていた。

ウーファーの中には、もともとリバーサイドを知っていて、その運営方法やどんなところか学びに来る人達もいた。また、世界を旅している中で資金を抑えつつ、色んな経験・出逢いを求めてウーフをしながら移動している旅人もいた。

ウーファー以外の旅行者はほとんどがバックパッカーで、旅の資金を作りにリバーサイドに滞在しながら、近くの農家に働きに出る人も多かった。

年齢も10代から50代と幅広い。
またその個性もバックグラウンドもなかなか。

バックパッカーから始まり、シンガー、彫刻家、絵描き、服職人、サーカスパフォーマー、自分を見つめ直す旅をしている人、仕事を辞め家族との時間を取り戻すために旅する人達。

最初は馴染めるか心配だったほど色んな人がいて戸惑ったが、数日も経つ内に、自然とその輪の中に私はいた。

ほとんどのウーファー・旅行者は1ヶ月以上の長期滞在者ばかり。
ここに住み着く人は決まって、お互いを干渉し過ぎず、程よい距離でお互いを尊重出来る人ばかりだった。

 

1人1人がカラフルな絵の具

 

どんな人も自分という色は持っているだろう。でもここリバーサイドにいる人たちは皆、その自分の色を隠すことなく表現する人たちが多かった。

時に、強すぎる個性は敬遠されてしまうことがある。しかし、リバーサイドの人々は、人をジャッチする人が少ない。というより、私の記憶上、誰も1人1人の色を否定する者はいなかった。

ブライトなオレンジ色、ロマンチックな淡いピンク色、透明感のある水色、柔らかい新芽のような緑色、、、。

それぞれの色はお互いの色を邪魔することなく混ざり合い、時に新しい絵(アイデアや作品)が出来上がる時もあった。また、悩みを持つ者は誰かの色に癒されていた。

私たちは毎日のようにお互いの事を話し、自分が持っているスキルや知識、考えを交換し合っていた。

 

変わっていく価値観

 

Photo by Anne Caillet

私は、ここリバーサイドで、自分の色を表現する楽しさを教えてもらった。それは私の人生の中で、とても大きな出来事の1つだった。

どんな色あれ、私たちはそれぞれ違った色を持っている。その色をどんな風に見るかは人によって違うだろう。でもどうだ、「全てが美しい」そう思う人もいるのはなぜだろうか。

私はここリバーサイドで、その理由が分かった気がする。

自分の知らない色を「知らない!」というのではなく、「どんな色なの?教えて!」という相手を理解・または尊重する心がその人の色を輝かせ、自分にとっても色彩の幅を広げる。

合わないのなら距離を置けばいい。
存在する色を否定する必要はないのだ。ただそれだけ。

80名近くの色が邪魔することなく生き生きしているのは、この理由もあるのではないだろうか。

1ヶ月間の滞在の中で、私もカラフルな絵の具の1人となった。それはリバーサイドに滞在する仲間との交流の中で、価値観を大きく変えてもらえたことにある。

私たち1人1人が自分だけの色を持っている。
そして、それは誰に否定されることもない素晴らしい個性なのだ。

 

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