ニュージーランド南島のモツエカという場所。
このエリアは、カフランギ国立公園とアベルタスマン国立公園が近くにある緑豊かなところです。
そんな美しい自然に囲まれたモツエカのムテール渓谷近くに、ニュージーランド最古と呼ばれるコミュニティビレッチ ”リバーサイドコミュニティ(Riverside Community)” があります。
コミュニティビレッチの存続が難しいと言われている中で、70年以上もの歴史を持つリバーサイドコミュニティは、「常に平等に、そしてお互いを助け合う」をもっとうに、今もなお多くの人が生活を共にしています。
今回は4回に渡って、約1ヶ月滞在してきた元旅人Naokoが、このリバーサイドコミュニティについてお話していきたいと思います。
第1回目は、リバーサイドコミュニティとはどんなところかをご紹介していきましょう。
リバーサイドコミュニティの歴史
リバーサイドコミュニティは、「戦争の否認」・「助け合い」・「持続可能性」に基づいた共同生活を実践しようと強く熱望していた、少数のクリスチャンパシフィスト(平和主義者)によって、第二次世界大戦の真っ只中の1941年に設立されました。
過去数十年の中で土地を広げていき、丘陵地帯を整え、そこに果樹園や畑ができ、現在のコミュニティビレッチいう形態へと進化。
完全なる共産主義社会を目指すリバーサイドコミュニティの思想・生活スタイルは、協力的なコミュニティの実例として世界に広く認められ、ニュージーランドの中では最も古いコミュニティとして多くの人に知られて来ました。
“コミュニティ”と聞くと、宗教的やアウトサイダーの集まりとイメージする人もいるかと思います。ですが、このリバーサイドコミュニティはそういった宗教的な点から離れるよう務め、現在では世俗的で多元的なコミュニティとして、地元の人たちにも愛される場所となっています。
リバーサイドコミュニティ内の施設
Photo by Anne Caillet
リバーサイドコミュニティは200ヘクタールの土地を持ち、そこからニュージーランドの美しい山々や海の景色を眺めることが出来る小さな村のような場所です。
そんなコミュニティ内には、住居や果樹園・畑の他にも様々な施設があります。それらがこちら。
・コミュニティ内で採れる有機食材を使っているカフェ
・イベントやワークショップのための多目的ホール
・保健所の許可が下りているコミュニティキッチン
・酪農場と、そこから採れた新鮮なミルクを販売する自動販売所
・旅行者やコミュニティ内で働くウーファーのための宿泊施設
・テントサイト
・オーガニック商品を揃えたショップ
・アートギャラリー
基本的に住居者は、こういった施設を無料で利用することができ、住居者以外の人には有料で提供されています。
住居者の仕事

リバーサイドコミュニティでは、コミュニティに対して住居者それぞれが自分の出来ることで仕事を持ち、常にお互いが協力し合って生活をしています。
その仕事は直接収益が出るものから、コミュニティ内の整備や畑の仕事、大工作業とコミュニティ自体を支えているものもあります。
収益が出るものとしては、収穫した野菜や果物、またコミュニティ内で採取した蜂蜜やミルクなどの販売があり、販売先は、コミュニティ内のショップやカフェ、または街のマーケットなどに出店しています。
コミュニティ内の子供たち
コミュニティ内の子供たちというと、自然教育やホームスクールを選択していると思われがちですが、ここリバーサイドコミュニティでは地元の学校に通わせたりと特に決まりはありません。
コミュニティ内には、緑いっぱいの広場や公園、小さな湖もあります。そこで子供たちは裸足になって走り回り、コミュニティに来る訪問者と交流を楽しみ、伸び伸びと生活。
人見知りの子が少なく、とても創造的で、積極的に色んなことにチャレンジしていく子供たちで溢れています。
全てのものは平等に分配・シェアしていく
リバーサイドコミュニティは、完全共産主義社会を目指しています。なので、住居者の間で住宅や車の私的所有権はありません。それぞれ家や車は持っていますが、必要時応じてお互いが提供して合っています。
コミュニティ内の住居や土地、その他全て、コミュニティの共有財産として考えられていて、コミュニテイ内で得た収益も”リバーサイド・コミュニティ・トラスト”という組織の中で共同管理。
住居者は、リバーサイドコミュニティのために労働力を提供。そしてその対価として、住居者は生活に必要な住居や食材などを受け取り、その他の生活費は家族の規模に応じて毎週平等に分配されています。
また生活に必要な基本的なもの、電気や電話、ヘルスケアなどはコミュニティに集まる資金から賄い、旅行や教育関係は援助。
誰もが平等に、そして困ることなく生活出来るよう組織が中心をなって管理されています。
国境や年齢を越えて人が集まる場所
Photo by Anne Caillet
今現在、約20人の住居者とその子供たちが住んでいるリバーサイドコミュニティ。訪問者やウーファーなども入れると、その数は約80人ほどに膨れ上がるそうです。
住居者の多くはニュージーランド人ではなく、国籍はバラバラ。訪問者も年齢問わず、シンガーからサーカスパフォーマー、絵描きに旅人ファミリーと、様々なタイプの人たちが集まってきます。
閉鎖的と思われがちなコミュニティですが、リバーサイドコミュニティはカフェやショップ、また多目的ホールを外部の人に提供することで、外との繋がりも大切にしています。そんなリバーサイドコミュニティは、地元の人も多く訪れる交流の場になっています。
次回からは体験談も交えて
リバーサイドコミュニティは徹底的な共産主義を基に、安心して生活出来る環境を提供するため、日々住人と組織が互いに協力し合っています。
そんなコミュニティでの生活は今までの価値観を壊されるほど驚きと感動の連続でした。次回からは、そんなリバーサイドコミュニティでの貴重な体験についてお話しして行きたいと思います。
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ニュージーランド南島のモツエカという場所。
このエリアは、カフランギ国立公園とアベルタスマン国立公園が近くにある緑豊かなところです。
そんな美しい自然に囲まれたモツエカのムテール渓谷近くに、ニュージーランド最古と呼ばれるコミュニティビレッチ ”リバーサイドコミュニティ(Riverside Community)” があります。
コミュニティビレッチの存続が難しいと言われている中で、70年以上もの歴史を持つリバーサイドコミュニティは、「常に平等に、そしてお互いを助け合う」をもっとうに、今もなお多くの人が生活を共にしています。
今回は4回に渡って、約1ヶ月滞在してきた元旅人Naokoが、このリバーサイドコミュニティについてお話していきたいと思います。
第1回目は、リバーサイドコミュニティとはどんなところかをご紹介していきましょう。
リバーサイドコミュニティの歴史
リバーサイドコミュニティは、「戦争の否認」・「助け合い」・「持続可能性」に基づいた共同生活を実践しようと強く熱望していた、少数のクリスチャンパシフィスト(平和主義者)によって、第二次世界大戦の真っ只中の1941年に設立されました。
過去数十年の中で土地を広げていき、丘陵地帯を整え、そこに果樹園や畑ができ、現在のコミュニティビレッチいう形態へと進化。
完全なる共産主義社会を目指すリバーサイドコミュニティの思想・生活スタイルは、協力的なコミュニティの実例として世界に広く認められ、ニュージーランドの中では最も古いコミュニティとして多くの人に知られて来ました。
“コミュニティ”と聞くと、宗教的やアウトサイダーの集まりとイメージする人もいるかと思います。ですが、このリバーサイドコミュニティはそういった宗教的な点から離れるよう務め、現在では世俗的で多元的なコミュニティとして、地元の人たちにも愛される場所となっています。
リバーサイドコミュニティ内の施設
リバーサイドコミュニティは200ヘクタールの土地を持ち、そこからニュージーランドの美しい山々や海の景色を眺めることが出来る小さな村のような場所です。
そんなコミュニティ内には、住居や果樹園・畑の他にも様々な施設があります。それらがこちら。
・コミュニティ内で採れる有機食材を使っているカフェ
・イベントやワークショップのための多目的ホール
・保健所の許可が下りているコミュニティキッチン
・酪農場と、そこから採れた新鮮なミルクを販売する自動販売所
・旅行者やコミュニティ内で働くウーファーのための宿泊施設
・テントサイト
・オーガニック商品を揃えたショップ
・アートギャラリー
基本的に住居者は、こういった施設を無料で利用することができ、住居者以外の人には有料で提供されています。
住居者の仕事
リバーサイドコミュニティでは、コミュニティに対して住居者それぞれが自分の出来ることで仕事を持ち、常にお互いが協力し合って生活をしています。
その仕事は直接収益が出るものから、コミュニティ内の整備や畑の仕事、大工作業とコミュニティ自体を支えているものもあります。
収益が出るものとしては、収穫した野菜や果物、またコミュニティ内で採取した蜂蜜やミルクなどの販売があり、販売先は、コミュニティ内のショップやカフェ、または街のマーケットなどに出店しています。
コミュニティ内の子供たち
コミュニティ内の子供たちというと、自然教育やホームスクールを選択していると思われがちですが、ここリバーサイドコミュニティでは地元の学校に通わせたりと特に決まりはありません。
コミュニティ内には、緑いっぱいの広場や公園、小さな湖もあります。そこで子供たちは裸足になって走り回り、コミュニティに来る訪問者と交流を楽しみ、伸び伸びと生活。
人見知りの子が少なく、とても創造的で、積極的に色んなことにチャレンジしていく子供たちで溢れています。
全てのものは平等に分配・シェアしていく
リバーサイドコミュニティは、完全共産主義社会を目指しています。なので、住居者の間で住宅や車の私的所有権はありません。それぞれ家や車は持っていますが、必要時応じてお互いが提供して合っています。
コミュニティ内の住居や土地、その他全て、コミュニティの共有財産として考えられていて、コミュニテイ内で得た収益も”リバーサイド・コミュニティ・トラスト”という組織の中で共同管理。
住居者は、リバーサイドコミュニティのために労働力を提供。そしてその対価として、住居者は生活に必要な住居や食材などを受け取り、その他の生活費は家族の規模に応じて毎週平等に分配されています。
また生活に必要な基本的なもの、電気や電話、ヘルスケアなどはコミュニティに集まる資金から賄い、旅行や教育関係は援助。
誰もが平等に、そして困ることなく生活出来るよう組織が中心をなって管理されています。
国境や年齢を越えて人が集まる場所
今現在、約20人の住居者とその子供たちが住んでいるリバーサイドコミュニティ。訪問者やウーファーなども入れると、その数は約80人ほどに膨れ上がるそうです。
住居者の多くはニュージーランド人ではなく、国籍はバラバラ。訪問者も年齢問わず、シンガーからサーカスパフォーマー、絵描きに旅人ファミリーと、様々なタイプの人たちが集まってきます。
閉鎖的と思われがちなコミュニティですが、リバーサイドコミュニティはカフェやショップ、また多目的ホールを外部の人に提供することで、外との繋がりも大切にしています。そんなリバーサイドコミュニティは、地元の人も多く訪れる交流の場になっています。
次回からは体験談も交えて
リバーサイドコミュニティは徹底的な共産主義を基に、安心して生活出来る環境を提供するため、日々住人と組織が互いに協力し合っています。
そんなコミュニティでの生活は今までの価値観を壊されるほど驚きと感動の連続でした。次回からは、そんなリバーサイドコミュニティでの貴重な体験についてお話しして行きたいと思います。